生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

2020-01-01から1年間の記事一覧

二煉二煉

ぼた雪散る、善知鳥神社へ参るその中途、老人が自分を向いて「ば~ん」と発声。老人の手は黒い拳銃となり自分はちょうど胸の辺りを貫かれた。鳩が豆鉄砲をうんぬん、ところで鳥っちゅう動物にはたいへんご立派な予知能力が備わっているようでして、神籤を引…

デッド・オア・アライブ・オア・ドライブ

わたしの、生きることそのものに対する気概というのは、並大抵のものではない。よりよく生きようと努めることを理知というのであり、すなわちそれこそが人間らしさであるということに、気がついたのだ。しかしこのところ、どうも気にかかることがひとつある…

激情

もう遅い。さまざまのことが、手遅れだ。 それは、鏡の中に残っていないほうの歯や、すっかり昇ってしまった太陽や、囀りやまない鳥の声など、あらゆるものが、取り返しのつかないようすである。 わたしは、何かを書こうとして筆をとったわけだけれど、何を…

ボロいプラネタリウムの近くに住みたかった

ボロいプラネタリウムは学区の外にあったのだけれど、わたしたちは、わたしたちだけでそこへ行くことを、さまざまなものにゆるされていた。 ガラス越しに、わたしたちの住むちいさな町の、さらにちいさなジオラマがあって、「おうし座」とか「ふたご座」とか…

ノイズが透明

「彼女は湖面が揺れるように笑う。風が吹くのを待って、吹く風のとおりに笑うのだ。」 血が本当の赤色をしているのはほんの一瞬であり、わたしの内から外へ流れ出たとたんにゆっくり色を失っていく。それは桜と似ている。開花、ある一瞬を過ぎた花たちは、ゆ…

吐く息の白さで、その人が笑っているのだとわかる

雪が、降りました。季節って順繰りしっかりめぐるのだなと、もういい大人なんだけど、あらためて思います。暖かくできるので、冬はいいですね。 雪が降る前の晩じゅう、強い風が吹いていました。それで、いちょう並木の葉は、すっかり落ちてしまいました。金…

同期する唇

葬儀屋の陰から黒猫がつとつと…っとあるいてきて、それでも自分はいっさい、不吉であるなどと思わなかった。と、こんなのは、ばかな頭の遠まわりだ。自分は黒猫のすがたを見たのではない。不吉であるというたしかな印象を見たのだ。おろかな、知覚の時差にす…

おしり

今日は火曜なので、ジャスコはひじょーに混んでいました。1階にある画材屋さんで、木版画の道具一式をそろえようと考えていたのですが、とりあえず、彫刻刀とはがき大のベニヤ板一枚をば。インクや紙は、次回にしますと言って帰って、さっそく、後ろからみた…

9月19日

『日記というものは本来他人に見せるべきではないということを忘れるな』という野暮ったいが真理に迫っているような気もしないでもないタイトルで日記をインターネット上に公開していた。結局はやはり人に見せるものではないと悟って閉鎖したのだけれど日記…

料理のさしすせそ

「料理のさしすせそ」について、セイカクに、あなたは答えられるでしょうか? 「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」は酢…… と続きますが、これは、料理に欠かせない調味料の名を、表すだけものではありません。料理をつくるときの、調味料を入れる順番をも、表…

飽きたらやめる弁当

わたしといふのは、じつに絶望しやすい生き物だと、つくづく思ふ。 たとへば、昼時。べんとばこの蓋を開ければ、うれしさふつふつとこみ上げてくる。しかし。箸を忘れてきた、気がついた途端、こころはたちまち、腐つた花だ。 アー、なんと、惨めなのか! 蓋…

明日になったら、お母さんが死ぬような気がした。 夏は好きです。野菜がおいしいから。勤めを終えたあと、近くのスーパーに寄るのが大好き。野菜売り場は、本当にすてきです。だってトマトがずっしり赤い。こんなにすばらしいことが、ありますか。大葉は瑞ま…

その線は水平線

【俳句コーナー】 夏草の背丈に負くれどもhuman はつらつと花を殴りしかの薫風 すくいたし浅瀬のひかりゼリーかな

半分

昨晩わたしは考えた。こんなみっともない気持ちを紛らわすための方法について。喉がかわいたので、家から二番目に近い場所にある、百円の自販機まで歩いた。途中で煙草の自販機もあり、吸うならば今だ!と確信したのだが、ライターを持ってない。こういう、…