生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

デッド・オア・アライブ・オア・ドライブ

わたしの、生きることそのものに対する気概というのは、並大抵のものではない。よりよく生きようと努めることを理知というのであり、すなわちそれこそが人間らしさであるということに、気がついたのだ。しかしこのところ、どうも気にかかることがひとつある…

激情

もう遅い。さまざまのことが、手遅れだ。 それは、鏡の中に残っていないほうの歯や、すっかり昇ってしまった太陽や、囀りやまない鳥の声など、あらゆるものが、取り返しのつかないようすである。 わたしは、何かを書こうとして筆をとったわけだけれど、何を…

ボロいプラネタリウムの近くに住みたかった

ボロいプラネタリウムは学区の外にあったのだけれど、わたしたちは、わたしたちだけでそこへ行くことを、さまざまなものにゆるされていた。 ガラス越しに、わたしたちの住むちいさな町の、さらにちいさなジオラマがあって、「おうし座」とか「ふたご座」とか…

ノイズが透明

「彼女は湖面が揺れるように笑う。風が吹くのを待って、吹く風のとおりに笑うのだ。」 血が本当の赤色をしているのはほんの一瞬であり、わたしの内から外へ流れ出たとたんにゆっくり色を失っていく。それは桜と似ている。開花、ある一瞬を過ぎた花たちは、ゆ…

吐く息の白さで、その人が笑っているのだとわかる

雪が、降りました。季節って順繰りしっかりめぐるのだなと、もういい大人なんだけど、あらためて思います。暖かくできるので、冬はいいですね。 雪が降る前の晩じゅう、強い風が吹いていました。それで、いちょう並木の葉は、すっかり落ちてしまいました。金…

同期する唇

葬儀屋の陰から黒猫がつとつと…っとあるいてきて、それでも自分はいっさい、不吉であるなどと思わなかった。と、こんなのは、ばかな頭の遠まわりだ。自分は黒猫のすがたを見たのではない。不吉であるというたしかな印象を見たのだ。おろかな、知覚の時差にす…