生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

「はなかり市」終了いたしました

 

 11月4日土曜日、青森市新町和田ビル2階「プラスえん」にて、第一回目となる一箱古本市「はなかり市」を開催いたしました。ご来場いただいたみなさま、関係者のみなさまに、4枚切りのトーストほどの厚い御礼を申し上げます。ほんとうに、ありがとうございました。当日の様子を、東奥日報社文化出版部の記者の方に取材していただきました。11月12日付の朝刊の文化面に掲載予定です。お楽しみに!(予定は変更になる場合がございます)

 

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 一箱古本市の計画は、今年の1月から始まりました。年明け早々、古書らせん堂の倉庫で、三浦さんに企画書を読んでいただきました。ここで、運営についての助言や励ましをいただき、修正などを重ねました。当初、団体として発足する予定だったのですが、私の転職活動がちょっと忙しくなってしまい。ぼんやりとした案のままでは周囲に声をかけることもできず、気がつくと雪は溶け消えて桜の季節になっていました。

 事がふたたび動き始めたのは5月のことです。三浦さんの計らいで、会場となった「プラスえん」を運営するSAN Net青森の代表・根本さんに、この時はじめてお会いしました。商店街や公園、神社の境内など、全国各地で行われている一箱古本市にならい、屋外での開催も選択肢にはありました。ただ、第一回目の開催が天候に左右されることのないよう、今回は室内開催としました。「プラスえん」は、青森ペンクラブの会合『青ペンカフェ』の会場でもあり、これもまた恵まれたご縁なのでした。

 7月、尊敬する友人のKOUKISAITOさんに、一箱古本市で使用する絵の依頼をしました。東京での個展を終えたばかりで忙しいはずでしたが、どうしても彼に描いてほしかったため、無理を言ってお願いしました。「ほとばしるままの角度で描きたいと思います(竜巻の絵文字)」

 7月22日と23日、青森市森林博物館にて、三ノ月舎主催・あかつき堂協力の『あおもり古書市』が、『夏の工芸学校』とあわせて開催されました。私も「はなかり書店」としてはじめて出店しました。運営の参考にさせてもらったところが多くあります。こんなところでお礼を言ったって仕方がないのですが、ありがとうございました。また、出店者として参加したことで、あたらしい出会いも生まれました。「売りたくないけれど見せびらかしたい本」として持っていった『写真 棟方志功』(講談社)が好評でした。

 8月、絵をたずさえて、KOUKISAITOさんが東京から青森につかのま帰ってきました。彼の実家(うちの実家とまあまあ近い)にて、原画を手渡していただきました。ほんとうに素晴らしい絵を描いてくださいました。この絵はちらしに使用したのですが、とても好評で、「イベント終了後、ちらしをほしいです」とおっしゃってくれた方もいました。

 

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 いよいよ、正式に開催の告知をしたのはこの頃です。出店者については、8月19日から9月末までのおよそ1ヶ月半のあいだで募集しました。当日、実際に出店していただいた方だけではなく、ほか数人の方からもお問合せをいただきました。「行ってみたい」といった声もうれしかったです。大げさにいうと、いよいよ私も花の矢を世に放ったのだ〜、と緊張した気持ちのほうが大きかったですが……。勇気を出してお問い合わせしてくださったみなさん、ほんとうにありがとうございます。

 ここからが、第一回目の大いなる反省点となります。今回、広報活動に力を注ぐことができず、周知、集客がおろそかになってしまいました。出店者のみなさま、大変申し訳ございませんでした。本来であれば、ポスターやちらしで大々的に告知するべきところでしたが、休日の多くの時間を、趣味の登山に割いてしまったことが要因です。次回は、山に登りながら企画と運営を行いたいと思います。また、広報活動については、財政面も大きく関係してきます。団体としての体制と実績をつくるところからになってしまいますが、今後の必須課題です。

 9月、会場の採寸作業のために和田ビルを訪れたところ、根本さんから、オーナーの和田さんがお亡くなりになったということを聞きました。春に、一箱古本市をここでやらせてほしい、と三浦さんが和田さんに話をしてくださったところ、和田さんは快諾してくれたばかりではなく、会場費の補助のお約束までしてくださいました。和田さん、直接お礼を伝えることができず、申し訳ございません。ほんとうに、ありがとうございました。

 10月、家に届いた青森ペンクラブの会報で、和田さんが、坪内逍遥編の『禁酒宣言 / 上林暁・酒場小説集』を取り上げ、軽んじられるべきでない私小説について引用していました。「自己と自己の身辺日常生活を見詰めて書くということは、広い社会を描くのに劣らず、無限の仕事であると私は信ずる。」(作中の引用文)

 そして、11月4日、みなさまの多大なるご協力のおかげで、第一回一箱古本市「はなかり市」開催の日を迎えることができました。和田ビルの階段を登って、ガラスの扉を開けてくださったみなさま。ぼろぼろの運営にも関わらず、最後まで信じてついてきてくださった出店者のみなさま。応援してくれた友だちのみんな。かれんなかれんちゃん。天才数学者ひなみくん。もぐらの親子。ほとばしる絵を描いて手渡ししてくれたKOUKISAITOさん。八甲田ロープウェイの無料乗車券を5枚もくれたさいとうさんのお母さん。青い目の猫のレモンとウーロン。ボヘミ庵の太田さん。かさぶた文庫の福原さん。まわりみち文庫の奈良さん。企画の立ち上げから、いいえ、それよりもずうっと前から、見守ってくださっていた古書らせん堂の三浦さん。一箱古本市のことばかりでなく、個人的な相談まで聞いてくださったSAN Net代表の根本さん。和田ビルオーナーの和田正彦さんとそのご家族のみなさん。ほんとうに、ありがとうございました。そして、生活をともにしてくれるパートナーのほし、あなたにはいちばん迷惑かけました。いつもほんとうにありがとう。私の実家の家族は、当日だれも来てくれなかったけれど、ま、いつもありがと。

 

 と、今生の別れコントはこのくらいにして、第二回「はなかり市」をよりよいものにすべく、さらに頭と手と足を動かしたいと思います。今回まいた種を、これから、ずっと、育てていきます。いつか花が咲いて、いつか誰かが心で狩ってくれたらいいなあ。ほんとうに、ありがとうございました!そして、これからも、よろしくお願いいたします!

 

一箱古本市「はなかり市」代表 成田安香音

 

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