生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

一箱古本市「はなかり市」

 

一箱古本市「はなかり市」

 

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一箱古本市は、2005年に東京・谷根千で始まった「不忍ブックストリート」以降、全国各地で開催されています。

この「はなかり市」は、今回が第1回目の開催となります。誰でも本屋さんになれる1日です。今回は10ものお店が集まりました。いつもとはひと味ちがった本に出会えるんじゃなかろうか。

みなさまのご来場をお待ちしております!ぜひ、あそびにきてくださいね。

 

【開催日時】

 2023年11月4日(土)10時~16時

【場所】

 青森市新町1丁目13-7 和田ビル2階 えん(古書らせん堂 2階)

【出店】

・一味屋

・カラトポ

・SAN Net

・指紋生成

・蒼空ん家の今日の本棚

積読道つんつん座

・なると屋

・本屋らむねくり

・ミツバチ舎

・もぐらや

 

■ 代表あいさつ

 

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 跳人(はねと)の草履が熱気を踏み散らしてつぎの季節へいくんだなあとか思っていたのですが、まだまだ青森にも夏は停滞しているもようですな。そんな八甲田の山を歩いて、たどりついた大岳の山頂にはまさに激情!といった風が吹いておりまして、それが皮膚に触れるとまあとんでもなく冷たかった。雲はあまりにもはやく行き過ぎてしまって、追いつけないな、と思いました。そうやって、知らず知らずのうちに取りこぼしてきた、とどめておくべきだった出来事と、それに伴う感情が、あったんだろーな、と思いました。生き直そう、と思いました。

人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で感じやすいものじゃないですか?

 平野啓一郎の小説『マチネの終わりに』のこの一節を、私はとても好きです。

 

 前置きが長くなってしまいました、失敬!

 

 2023年11月4日土曜日、青森市新町にある和田ビルの2階、「えん」さんの空間をお借りして、一箱古本市「はなかり市」を開催することになりました。私の大好きな、古書らせん堂の入っているビルです。

 企画と開催にあたり、ご協力と励ましをいただいております、古書らせん堂三浦さん、NPO法人「SAN Net」代表根本さん、和田ビルオーナー和田さんとそのご家族のみなさん。そして友人たちに、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。

 

 「はなかり市」という名前は、敬愛する板画家・棟方志功の『華狩頌』からいただきました。

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 (青森県立美術館で開催された『メイキング・オブ・ムナカタ』にて)

「けものを狩るには、弓とか鉄砲とかを使うけれども、花だと、心で花を狩る。きれいな心の世界で美を射止めること、人間でも何でも同じでしょうが、心を射止める仕事、そういうものを、いいなあと思い、弓を持たせない、鉄砲を持たせない、心で花を狩る」

『板極道 / 棟方志功』(中公文庫)1976年

 私はこの作品とスコさんの心意気が大好きで、心で花を狩る人間でありたい!と日々思うのです。そして、これからつくる一箱古本市が、心で花を狩る人たちの集う場所になればいいなあと思い、お名前を拝借してしまいました。スコさんから怒られたら、違う名前を考えなきゃいけないけど...。

 

 さて、「はなかり市」の絵は、大切な友人(実家がまあまあ近所)であり、ものをつくる人として尊敬しているデザイナー・KOUKISAITOさんに描いていただきました。ありがとーございます!

 

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 「文化を広めていくというのは、未来に伝えていくことだと思い、それはこの個人的な風景をずっと覚えていることと意味合いが似ているような気がしました。」

 私は、さいとうさんからいただいたこの言葉も、ずっと覚えていたいと思います。

 

 読むことと書くことを通じて得たすべての出会いに、読むことと書くことを通じて報いること、そしてそれを続けていくことが、私のやりたいことです。

 湿っぽいのはきらいだネ!と、思うんです。ただ、本の向こうには生きた人間がいる、あるいは生きていた人間がいたという「こと」が、私にとってはなにより大切です。本は決して「もの」ではないので。

 

 さあ、記念すべき!第1回目の開催となりますので、ご参加・ご来場されるみなさまにはご迷惑をおかけする部分が多くあるかと思いますが、まずは種をまく第1回目として努めます。どうぞよろしくお願いいたします。

 私たちひとりひとりの、極めてちいさな命の中で最大のかがやきを目指して!精いっぱい、そんなふうにして、この一箱古本市「はなかり市」を育ててゆくことができれば、と思っています。

 

一箱古本市「はなかり市」代表 成田安香音