生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

心で花を狩る

 

 5月11日土曜日。あらかじめラグノオの菓子折りで天気の機嫌を伺っていたので晴れ。

 6時半頃起床。後頭部に五〇〇円玉ほどの円形脱毛を発見する。まー、棟方志功円形脱毛あったしな、と思う。私の後頭部には無が「存在する(ザイン)」。朝食は納豆卵かけご飯、サラダ、味噌汁。先月のつがる工藝店の販売会で手に入れた益子焼の茶碗。

 車に荷物を積み込み8時過ぎ出る。かさぶた文庫の前を過ぎ、昭和通りを抜けて新町通り、安方へ。途中かれんちゃん、ボヘとすれ違う。8時50分頃ねぶたの家ワ・ラッセへ。搬入口にはすでに出店者の方々が集まっていた。

 9時、業務用のエレベーターを使用して搬入作業と設営を始める。前日のうちに会場設営ができなかったため、ここぞとばかりに主宰の立場を乱用し出店者の皆さんをこき使う。自分も一丁前に汗を垂らしてはいたものの、エレベーターでひとりになったときにこいた屁がなかなか臭かったくらいで何もしていない。

 10時、でかい声とか全然出したくないがでかい声を出すのが主宰らしいのででかい声を出して開場。70代くらいの男性がやって来て「古本売ってるって聞いたんですが」。その男性を皮切りに第2回本の市「はなかり市」始まる。

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(写真提供:風見鶏Books)

 開場から間もなくして古書らせん堂の三浦さんが来てくれた。気にかけてくださってありがたい。「これは、売るな」と現代詩文庫の『尾形亀之助詩集』を無理やり引っ込められる。もっと本を「のっけ」るよう助言していただく。

 NPO法人サンネット青森の根本さんも来てくれた。『海に落とした名前 / 多和田葉子』買ってくれた。次回はケアにまつわる本を揃えたい。ちかこさんとも話せてうれしい。3月に行われた「べてるの家」の当事者研究のとき以来。

 中学からの友人・阿弥の母親ゆりさん。真剣に本を選んでいる写真を、というので「じゃあこの本いいですよ」と『太宰治 滑稽小説集』(みすず書房)をすすめる。神妙な面持ちでゆりさんが『太宰治 滑稽小説集』を手にとる写真が撮れてうれしい。庭のスズランを瓶に生けたのもらった。

 ほしさんの両親も来てくれる。ほしの選書をほしのお母さんが買っていった。お土産にメキシカンのホットサンドもらう。いちごジャム付き。

 やまびこさんきてくれてうれしい。「ケストナーの『飛ぶ教室』はどうだった?」。今もパン屋で働き続けていたら、マチアスのような勇敢な少年にパンを売ってやれたかもしれない、と思う。現代詩文庫の『田村隆一詩集』を買ってもらった。「黒田三郎は、多分もう持っていると思うから」。

 陸奥新報での連載『図書館ウォーカー』を日外アソシエーツから出版したオラシオさんが立ち寄ってくれ、haruka nakamuraも昔こんな感じだったらしい(伝聞)絡み方を披露してもらう。この後新幹線に乗ってどこかの街の図書館へ出かけて行った。

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 こうせいさんにも初めて会えてうれしい。今後のノイズ・ミュージックを牽引していくであろう息子たち。こうせいさんとほしは互いにドッペルゲンガーというわけではなかった。

 「はなかり市」ではあいにく棒パンは扱ってないので熊谷暁人氏のあの名曲を会場で流すことはできなかったものの、もぐらの一家が来てくれてうれしい。『おしりたんてい』の次なる本は見つかっただろうか。焼き菓子を差し入れてもらった。またあとで、と言って別れる。

 八戸ブックセンターの熊澤さん。1回目の「はなかり市」に続いて来てくれてうれしい。熊澤さんの人柄からなる振る舞いにはいつも感じ入る。ZINEのワークショップの成果発表会と販売会が来週18日に八戸ブックセンターで行われるそうでチラシもらう。きれいな包みのチョコレートを差し入れてもらった。

 先ほど差し入れてもらったお菓子を「おやつタ〜イム」と踊りながら出店者の皆さんに配り歩いていると肩からカメラを提げた人に声をかけられる。ぬまりさん。昨年4月、五所川原市のギャラリーカフェふゆめ堂で開催された個展「得体」で一度お会いしたことがあるのみだが、とても気さくな方で心地よい。今回東京から出店してくださったノルドベースさんと親交があるとのこと。ZINEの神、ジンジン。

 ゆりさんの娘こと阿弥も綾野剛似の恋人と来てくれてうれしい。厚みが3.8センチメートルある(定規で測った)『メキシコ人はなぜハゲないし、死なないのか / 明川哲也』(晶文社)を立ち読みし、主題を掴んだので買わずに帰る「アナログ万引き」をされた。

 弘前からは鷹彦さんも駆けつけて来てくれてうれしい。1回目の「はなかり市」以来。これから古書らせん堂、国際芸術センター青森を見てきます、と。いつか鷹彦さんのお眼鏡にかなう本も置けたらいい。それが自分の作ったものであるならもっといい。

 『十八歳、海へ/ 中上健次』、『まれびとの座 折口信夫と私 / 池田弥三郎』、『大手拓次詩集』、『フランス詩集』、『鮎川信夫詩集』、『吉岡実詩集』、『渋沢孝輔詩集』、『木原孝一詩集』という、まるで自分みたいな本の買い方をする人に会えてうれしかった。 

 ほしの親友まよぴ。かなこさんにも久しぶりに会えてうれしい。ビール差し入れてもらった。まよぴが作っている「ぬい天」というぬいぐるみを手に写真撮ってもらう。今回はふたりの好きな『北の国から』にまつわる本を用意しておらず大変申し訳ない。

 ボヘミ庵の読書会でご一緒したさやちゃんさん、森山さんもそれぞれ来てくれてうれしい。『バイロン詩集』(新潮社、1968年)の黒い函入りの装幀はさやちゃんさんに似合っていると思う。よく冷えたお茶を差し入れてもらった。森山さんとはお話できなかったが、またボヘミ庵に行けば会えると思う(本当によく会う)。

 古書市に出店するたびに来てくれるお姉さんにも会えてうれしい。ご一緒の方が100円均一の文庫から『車輪の下』を2冊手にしていたのですかさず「こっちのねえ、高橋健二訳のがいいですよ」と言う。別に尾崎喜八が悪いってわけじゃないんだけども。

 パン屋からの付き合いであるYちゃんとKさん。YちゃんがKさんに「これ、読んでみて」と『パンセ / パスカル 前田陽一・由木康訳』(中公文庫)を勧めておりかっこいい。Aさんは去年もぐらやの忘年会で「哲学という学問は、ない」と言い放っており清々しかった。

 青森最後の詩人ひろやーもきてくれてうれしい。子の手を引いていた。密かに目玉品としていた『星のひとみ / サカリアス・トペリウス』(岩波書店)買ってもらう。

 順子さんも来てくれてうれしい。先日帰省していたおてさんのことを、短い帰省だったけど家のことよく手伝ってくれた、と。そろそろパウンドケーキの焼き方を習うために家のピンポンを押さねば。

 棟方志功記念館の学芸員・竹浪さんもきてくれてうれしい。自分が無駄にせわしなくしておりあまり話せなかったのが悔やまれる。竹浪さんといっしょに眺めたく並べた『川上澄生全集』は見ていただけただろうか。クッキー差し入れてもらった。

 老舗の吉田屋とは仮の姿で何といってもアナログ貸本サービス「サバンナprime」の創始者である佐伯氏も蕎麦を打ち終えた身体に鞭を打って駆けつけてくれた。16時を過ぎても1 pon tan さんに絡み続けていたのを引き剥がす。

 17時までに完全撤収しなければならず、最後までゆっくり楽しんでくださっていた方たちにお帰りいただくよう声をかけるとき心苦しかった。申し訳ない。

 さよはし画房で『宙海町ねこまた堂 / もなか』(KADOKAWA)、車庫いのぶたで『ブンバップ / 川村有史』(書肆侃侃房)買い、それぞれサイン入れてもらう。レインボーブックスで『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる / 石井好子』(暮しの手帖社)、ボヘミ庵で『夏の闇 / 開高健』(新潮文庫)、『幸福論/ アラン 串田孫一中村雄二郎訳』(白水社)、風見鶏Booksで『言葉を使う動物たち / エヴァ・メイヤー 安倍恵子訳』(柏書房)、ノルドベースで『グッモー!質問編・回答編』、『飲食ZINE』買う。ノルドさん手製の版画かっこいい。書肆ミクロコスモスで『おかずとご飯の本 / 高山なおみ』(アノニマ・スタジオ)、満天の星で『ライムライト/ 月波与生』(満天の星)、『タコのくに』、ミツバチ舎で『花のたより』、本屋らむねくりで『別冊らむねくりソオラア号』、牧師と詩人で『観光記 / 池田彩乃』(言祝出版)、『牧師と詩人本』買う。すべて煉煉堂のレジから持ち出した金で。全ての店を見て回ることができず申し訳ない。ひとりひとりとゆっくり話がしたかったが。

 搬出でも無能ぶりをいかんなく発揮する。書肆ミクロコスモスの私物の台車を堂々と盗むなど。今日に至るまで、出店者の皆様をはじめ、多くの人に助けられた日々だった。武藤さん、せとさんに励ましをいただいたことも大変うれしかった。皆様へ心より感謝申し上げる。

 17時頃いったん帰宅。ボヘからもらった今川焼をふた口食べただけだった。気が抜けつつも気の抜けてないコーラ飲んで武藤良子さんの「曇天画」Tシャツに着替え自転車で出る。

 18時半もぐらや。自分、ほし、ボヘ、かれんちゃん、かさぶた、レインボーさん、風見鶏さん、月波さん、牧師と詩人、三重県代表ソントン夫妻、川村さん、つんつん、古書らせん堂の三浦さんで打ち上げ。

 まあ飲んで酔っ払ったのであんまり覚えてないんだけども、風見鶏さんがPowerPointで作成したZINE『鬼コ図鑑』を見せてもらってうれしい。新聞記者としての取材力はもちろんながら風見鶏さんのスコチック(棟方志功的)な人柄を感じられていい。「ZINEって、ジン、って読むんですね、ずっとザインだと思ってました……」とかさぶた。トイレから出ると、レインボーさんが堂々と三重県の県庁所在地を発表していた。ピースしてくれるかれんちゃん。川村さんを脅して群馬から持って来させた「尾瀬の雪どけ」をみんなで飲む。彩乃さんとハグしてうれしい。前歯をぶつけて申し訳なかった。ソントン妻に「この人むっちゃ好きやわー」と言われてうれしそうな三浦さん。酔って机に突っ伏して眠るかさぶたの肩が岩崖のようでかっこよかった。はなかりのムードメーカーことつんつん夫妻。今度は月波さんもいっしょに飲めたらいい。終始ボヘの細やかな気配りに感じ入る。21時半、大幅に予定時間を過ぎる。締めの音頭を任されたが締めたことないので「おしまーい」とだけ言って締め。つんつん夫に「今度おじさんの締め方教えてあげるよ」と言ってもらった。締め慣れていそう。今度締めのマニュアルをもらう約束。またすぐに会えるような感じでみんなを見送る。熊谷さんが沼田商店のカマボコをお土産に持たせてくれた。

 もぐらやの斜向かいにある、ラムだけ置いてる立ち飲み屋いいわけを覗く。佐伯氏が「さっき1 pon tanで買った、いいよね」と首振りこけしを手にして出てきた。今度みんなを誘ってシネマディクトで『マリウポリ20日間』を見る約束。「本当の戦争反対って、これなんだよ」と映画について佐伯氏が語っている間ずっとこけしの首が揺れていた。佐伯氏が「あ、月きれいだよ」と言う。西の方角に三日月を眺めて別れる。

 22時頃帰宅。たのしかった。天気の機嫌を伺うがあまり青森の空にオーロラまで発生させてしまって申し訳ない。