9月7日水曜日。
仕事。16時過ぎまで。
終え、自転車にまたがり新町通りに出る。古書らせん堂へ。外の棚から『彫刻家との対話 / アラン』彌生書房持って店に入る。三浦さんに会えてうれしい。
川上澄生の影響を全面に受けて制作された棟方志功の初期の板画作品。ハイカラ、という言葉は好きだ。『初夏の風』は思い浮かべただけで胸に潮騒が来る。
八甲田と酸ヶ湯の2万5000分の1地形図を広げ見る。南八甲田、黄瀬沼から乗鞍岳へと続く登山道。地形図に描かれた線を指でなぞりながら昔話をしてくれた。この道は今もあるんだろうか。乗鞍岳の南東には沢が広がっている。「櫛ヶ峯まで行けば大したもんだよ」と三浦さんが言った。青森市、十和田市、平川市、黒石市の境に位置する。これはテント泊になるだろう。湿地帯を越えて山頂へ続く道の険しさが地形図上に表現されている。山はもちろんのこと地形図それ自体に美しさがある。
三浦さんにふく郎へ至る地図を書いてもらった。やはり地図には美しさがあると思った。
別れて出る。市民図書館の7階へ。本を読んでない自分よりは読んでる自分のほうがまだまし。
18時半頃県庁前のバス停へ。アオパスでスマート降車するかれんちゃん。畑で採れた枝豆もらってうれしい。石田パンの袋。
昭和通りと新町通りのぶつかる交差点で勤めを終えたほしさんと落ち合い3人で歩く。のらくろの前に三毛猫の子猫。アオモリボウルからピンの倒れる乾いた音。
向かう先のよろ串、という店名をずっとつぶやいていた。よろ串田孫一、と思いながら言わなかった。よろ串は混んでたのでよす。
Go Go Round This World! アパホテル青森駅東の前を通ってふく郎へ。禁煙。ビールで乾杯する。ホタテ刺、枝豆、ボン串、つくね串、嶽きみの天ぷら。三浦さんに教えてもらった日本酒「愛娘」(めご)おいしい。レモンサワー。かれんちゃんはレモンサワー、ほしさんは角ハイボール。ながまる、は去年の9月10日にかれんちゃんから教えてもらった津軽弁。昼はオフィス・レディ、夜は軍艦の指揮を執るかれん総督。観光通りのスシローで。宴会用か、立派なオーディオの上に積まれたCDの中に青山テルマ。店にはユーミンが流れていた。
3人で千円札を撒き散らした。会計を済ませる。かれんちゃん、ほしさん、自分の順で店を出ようとすると店主がアオレンのりんごジュースを2本用意していた。ほしさんだけもらえなかった。
安方のローソンへ。たべっ子どうぶつ、グリーンラベル。かれんちゃんとほしさんはタカラのハイボール。
アスパム裏の東家へ。「中村一義は私の海の定番だから!」と吐き捨て自転車を漕ぎ西側の公衆便所へ。紙がない可能性を危惧していたが丁寧に三角に折られていた。肥沃な三角地帯、と思った。2人のもとへ戻る。「紙あった?」と聞かれ「メソポタミア文明があった」と答えた。
夏目漱石のせいで「月が綺麗」と言いづらいが夏目漱石が本当にあれを言ったのか定かではない。
県庁前でバスに乗って帰るかれんちゃんを見送る。とてもたのしかった。かれんちゃんが飲み残したハイボールをもらった。駅前でほしさんとも別れたあと、検索すると肥沃な三角地帯、ではなくて肥沃な三日月地帯、だった。
23時頃帰宅。歯磨き粉をTシャツにこぼした。