生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

RASSE RA!

 

 8月3日水曜日。

 仕事。昼、図書館へ行くためにエレベーターに乗ろうとしたら閉まる扉に挟まった。

 17時終える。古書らせん堂へ行くと「ねぶた期間は17時までの営業」と張り紙があった。店のガラス棚に額をつけて中を覗くと、奥の帳場から明かりが漏れている。三浦さんにショートメールを送ると「いますよ」と返信あり。中に入れてもらった。久しぶりに会えてうれしい。

 新潮文庫のりえちゃん(宮沢りえ)のポスターが貼ってある鉄の扉の前に椅子を出してくれた。無印良品のメープルバウムもらって食べる。コンセントの抜けた冷蔵庫。以前は本棚代わりにしていたものだが、開けてみるとポカリスエット黒豆茶だけが入っていた。黒豆茶もらって飲む。

 マロンパピエの4号をもらう。マッチ箱の装丁がかわいらしい。三浦さんのねぶた祭の思い出(過激)、県外からのお客さんの話などを聞かせてもらう。6時間も店内にいた人。80年代のデカダンス的趣、ではなく、戦後間もない頃の闇市バラックのような。盛岡の浅沼古書店行ってみたい。秩序と無秩序のあいだ、とかそういうかっこつけたものではなくて、その人の中に存在する自然に従った結果が誰か他人を惹きつけるのか。

 ねぶた祭を目前に控えた八甲通りを眺めながら「青森市民の恥は二種類いる」と三浦さんが言う。「一つは、ねぶた祭りで跳ねたことのない奴」「もう一つは、八甲田大岳に登ったことのない奴」。私はどちらにも当てはまるので、三浦さんを先導にねぶたの衣装に花笠を被り、八甲田を跳ねながら登ることにした。

 ふたりして「3!」とか「6!」とか世界のナベアツの真似をしてから外へ。シャッターの降りた和田ビルの赤い扉から出る。沿道に座り込み酒を飲む人々。ガニセン(JR蟹田線)で来た奴。「祭は人を原始の姿に還らせる」と三浦さんが言った。警察と警備員が多すぎる。とてもいい暮れ。「酔わないと祭じゃない」との金言をいただき、18時20分過ぎ手を振って別れる。

 新町2丁目のセブンイレブンの仮設トイレ。鍵が閉まらず大変な思いをしたが、後ろに並んでいた人がよくしてくれた。

 鳥糸の隣の隣にある革製品屋が「一年ぶん稼ぐ」と意気込んで出してる露店で生ビール買う。500円。柳町の交差点へ出てビール飲む。我らが新町よ、永遠なれ。

f:id:gmkss:20220803231030j:image

 19時に花火が上がり、人々は歓声を上げる。いよいよねぶたの運行が始まる。出陣の囃子から運行の囃子に切り替わる瞬間。笛の音だけが煙のように筋を描き、しかし鋭く空に響いていくあの感じ。

 マルハニチロ侫武多会『豪傑 武松 猛虎退治』手塚茂樹作は、虎の毛並が色付けの仕方でよく表現されてあった。

 三浦さんが気になると言っていたヤマト運輸ねぶた実行委員会『張順と李逵 水中の格闘』北村隆作は、柳町交差点で待機している間は明かりがついておらず、出陣とともに明かりがつく瞬間を見ることができてよかった。水の泡が揺れるようにできてあり、しっかりとした土台のあるねぶたの魅力の中に繊細な動きがあった。

 JRねぶた実行プロジェクト『鍾馗』竹浪比呂央作。私は竹浪さんのねぶたがいちばん好き。

f:id:gmkss:20220804075548j:image

 明日は大型ねぶたが全て出陣するのでますますたのしみ。日立連合ねぶた委員会の囃子もたのしみ。

 「食べ歩き禁止」「大声禁止」と書かれたプラカードのようなものを首から提げて歩く仕事、をしているほしさん。酒を片手に大声を上げながら本町を駆け抜けていく男性の集団の中に、高校の同級生がいた。つがるやの露店で焼き鳥とイカ焼きを買ってもらった。ベンさんは「ねぶたおもしろいよ〜」と言っていた。ミスねぶたグランプリのウさんに手を振った。主幹とすれ違った。

 RASSE RA! 

f:id:gmkss:20220804080142j:image