生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

地続きの時代

 

 7月10日日曜日。

 参院選の投開票日。鳴門煉煉と佐藤竹善の母校である古川中学校で選挙事務のアルバイト。6時半から20時半まで。名簿に載っている人と実際に投票に来た人を照合し、名簿と入場券に判を押す仕事。

 7時から投票が開始される。最初に投票所へやってきた人は不正が行われないかを確認するため空の投票箱を見ることができる、という噂の儀式を目の当たりにしてちょっとうれしい。朝早くから投票を済ませる人が多い。自転車屋のおじさん、中学の友達のおばあちゃんなど。

 昼は千富食堂の出前をとった。スープ付で500円のチャーハンには味がなく口中でスープと合わせることによって塩味を感じさせる手法だった。越田さんはカツ丼大盛りを注文。どうでした、と聞くと大盛りの米に対してカツは3切れだったらしい。「田中さんがカツカレー頼むはんでわァのカツねぐなってまったべな!」と怒っていた。確かに、田中さんのカレーの上にはカツの山脈。

 17時を過ぎる。熱狂的なそれではなくひたすら気だるい空気の停滞する体育館に差す西日と、そばを流れる万太郎堰沿いの桜並木が木漏れ日を作り床に影を落としていた。花を落としてしまっては桜として見向きもされない葉と、熱を攪拌し続ける扇風機のオレンジ色の羽。

 20時ちょうど投票所を閉める。この古川中学校地区で選挙権がある人はおよそ5,000人で、今日投票に来た人は1,300人にも届かなかった。期日前投票を済ませた人の数を考慮しても投票率は半分にも満たないだろう。いかに若い世代が政治に関心がないかを実感することに疲れた。

 ブルーシート、記載台、パイプ椅子などを片して20時半頃解散。帰り道に速報で「自公、過半数を確保」の見出しを見る。憲法によって守られてきた戦後としての日本が変わってしまうのだろうか。憲法という、国にとって最大の覚悟によって示された反省と未来への展望が時代に流されて形を変えていいはずがないと私は思う。枯草ですら激しい川の流れに抗い立っている。戦後を生きた詩人たちと地続きの時代を私は生きていたいのに。