生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

敗者のくりーむぱん

 

 6月10日金曜日。

 駅前公園で昼飯を食べていたら向かいのベンチに座っていた男性に「日差しが気持ちいいですね、さわやかで」と話しかけられる。さっきこの人が飲み終えた『カルシウムと鉄分の多いミルク』の容器をひねり潰すところを見ていた。▷あれは牛乳よりも少し安いので自分も買って飲んだことがあるが、やはり乳飲料なのであり「機能」の味がする。一方牛乳の美味さとは人間の欲望を的確に刺激してくるものだー……と、その差異を思う。乳飲料の存在意義、健康を維持しなければならないという退屈な人間どもによる過剰さがかえって不健康を煽る。生のあるべき姿からは遠い。▷30分くらい話した。昨日の東奥日報に載っていた能町みね子の連載の話をした。伝説の果物ポポーが売られていた店はスコールで間違いない。▷もらった名刺を『文學界』2021年11月号に挟んだ。この時まだ西村賢太は生きていた。「作家志望ですか」と言われた。自分でもよくわからないが、背後にある役所にあと30年勤める気概は自分にはない。またどこかで、と言って別れた。

 勤めを終えてらせん堂へ。店の外にレコードの入った段ボール箱が出ていた。三浦さん。エーデルワイス、ハヤチネウスユキソウ。登山の勧めを受けた。『敗者の祈祷書 / シオラン 金井裕訳』を2,200円で買う。自分が何から影響を受けたか他人に知られるのが恥ずかしい、とかいう思いのしょうもなさに気がついた。

 財布に金がないので市民図書館の7階で過ごす。私の腹はよく鳴るが決して東急ハンズ、とは喋らない。

 

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 くりーむぱん(大変美味)