しみったれたクッキー

　6月9日木曜日。

　勤めを終えてドトールへ。今日もしみったれたクッキーは置いておらずベルギーワッフルが二列煌々と並んでいた。華々しい。しかしどうなのか、と思い直す。しみったれたクッキーが世から消えて喜んでいると自分は自分の浅ましさが水面に浮かびくるような恥ずかしさを目撃する羽目になる。しみったれたクッキー、その存在の消滅を望んではいけない。おそらく切実な思索は排除を選択しないだろうから。アメリカンのS。

　君には時間がある。勤めを終えたほしさんをバスの降車場へ迎えに行く。夕日に照らされるとあたたかい。海のそばを歩いた。駅の改札口へ続く階段を登りながら目が合ったときうれしかった。片手を上げ見送る。

　浪館通りのハッピードラッグ。私は三幸製菓のおせんべいたちがここへ帰ってくる日をいつまでも待つ。グリーンラベル。