生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

まづもろともにかがやく宇宙の微塵となりて無方の空にちらばらう

 

 木曜日。昨日の夜『東京』という曲を聞いた。よかった。東京に対して強烈に抱いていた思い入れの類いはこの数年で完全に消失した。無かったことにしたわけではないけれど今私が持っているのは記憶があった、ということで記憶そのものはもう掴みようもないほど細かくなって自分の後ろに流れて散ってしまった。砂、と一言で済むような喩えをあえて避けようとしている今の自分の、その真意もわかりそうなはずなのにわからないふりをしている、そういった部分まで含めて気に入らないけれど、とにかく無いものは無い。賞味期限が切れた途端に黒くなった牛乳、みたいなことは誰かがすでに書いている。自分が言いたいようなことはすでに言い尽くされている。それでは後から生まれた者が圧倒的に不利ではないか、とは思わない。圧倒的に不利だったのはずっと遡った先の岩から染み出してる湧水みたいなの、だ。川だか海だか知らないが私たちは言いたいことを言い尽くされたことを生かしたり殺したりする自由を手にしている。ただ生きているだけなのに、いやもっと早く生き始めた瞬間からそれが許されてしまっている。考えたくないという欲望が私に考えさせる。そうか?そんなかっこいいものじゃない。私には言いたいことなんてあった試しがない。私が言いたいと自覚できたことなんてのはすでに誰かが言ったことで別に私が言うべきことじゃない。私には言いたいことなんてない、車を運転しないからよく知らないけどneutralっていうのは多分こういうことだと思う。上手くなくても切れる。本当に悲しくない。中学の頃『走れメロス』の授業でひとりずつ感想を言わされた。自分は「嘲笑」の事を言った気がする。本当は予感がしている。もっと長く喋りたい。私は点を打つのが早すぎる。言いたいことはないのに喋っていたい。私は目つきが悪い!