生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

ハトさんしなないで

 

 晴れ。パン屋休み。父も仕事休み。母は仕事、弟は午後から学校。平出奔さんの受賞作が掲載された号の『短歌研究』読む。『鷲のごと翼をはりて/山下れいこ』楽天ブックスで注文する。

 キャベツ、新玉ねぎ、にんじん、豚バラ肉を切って鍋に入れ、水とコンソメで煮てる間に洗濯。ブロッコリーも茹でる。もらったフランスパンを150度のオーブントースターで10分くらい焼き、一度取り出してからマーガリン、グラニュー糖を塗ってさらに5分くらい焼いてラスクにする。弟がスクランブルエッグを作って食パンに乗せ、そこにマヨネーズと黒こしょうをかけたのをふたつ作る。ひとつは時間なくて食べきれず、皿を手に持ったまま靴を履いていた。

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 母にラスク食べるよう置手紙残し、12時20分頃父の車で出る。道路に鳩が一羽。車で近づいてもなかなか避けてくれず、このままでは轢いてしまう!というとき、「『ハトさんしなないで』だべや」と父が言う。ハトさんしなないで、というのは弟が小学1年か2年の頃に作った紙版画。棟方志功賞版画展にて最高賞の棟方志功賞に次ぐ金賞を受賞した素晴らしい作品である。胴体が引き裂けた鳩と、その隣で涙を流す弟を描いたもの。弟が「俺は棟方志功に選ばれた男なんだぞ」と言う。たいへん立派である。

 山道をママチャリで上る弟の同級生を追い越し13時頃弟の大学に着く。パン屑の乗った皿を渡される。弟を見送り、父と車で山道を下りる。青森市内が一望でき、自分はこの街を好きだと思う。観光通りを走っていると遥か先に見える巨大な白いビル。正体をつき詰めようと目で追ったが八甲田大橋の辺りまでくると見えなくなる。結局、国道沿いにある明治安田生命のビルではないかと見当をつけたがどうか。

 帰宅。ラスクおいしかったと母。昼飯食べる。朝に煮たコンソメスープの残り、冷凍のチャーハンを父と半分ずつ。15時頃父と母と3人で出る。父の亡くなった友人が経営していたファミマの跡地にコーヒー屋ができていた。そういえば星乃珈琲店できたよね、と母が言う。17か18の頃東京へ遊びに行き星乃珈琲店で「ミルクティーください」と言ったら「は?」と店員に聞き返されたから星乃珈琲店は嫌い。訛りがきつくて伝わらなかったことを話す。新宿大ガード西にあったマクドナルドで「フライドポテトください」と言っただけなのに店員に笑われたこともある、と。

 八甲田憩いの牧場へ。サーキット、というにはしょぼくれた道で父がラジコン走らせて遊ぶのを見る。母は到着した瞬間から飽きて帰りたそうにしていた。隣の敷地にある牛舎から牛の低い鳴き声。芝生に移動し動画を撮影するもうまく撮れず。くるぶしに目玉がついていればいいのだが。少し走らせただけでラジコンが花粉まみれになる。青い車体が黄色くなっていた。つまらなそうにしている母を連れて「ジェラート」の幟が立つ建物へ近づくも「水道工事のため本日休業」と張り紙がされてあった。自分も母もそこまでジェラートが食べたかったわけではないので何も感じず。父は遊び足りない感じではあったが出る。

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 新幹線の高架橋を見、父が「これが完成するとき自分は48か、って思ってたけどあっという間だったな」と言う。自分だって20年先のことなど想像もつかない。今いる人がいなくなっていたり、するんだろうか。青森にも新幹線が走るようになってもう10年が経った。何もかもが早すぎる気がしてならない。

 コーポ白樺へ。電気カバーの内側にいる虫を父と母に見せる。台所のものと衣服、椅子を回収。

 帰宅。今日は自分が晩飯を作ると言っていたが面倒になったので金にもの言わせてスシローで寿司を注文する。42貫で2600円くらい。父、母、祖母と4人で遠慮し合いながら食う。おいしい。寿司の食わず嫌いの弟が「出してもいいなら食ってみたい」と言い父に叱られていた。

 皆既月食。母と外に出て見に行く。オレンジ色の月が切った爪のように空にあった。YouTube国立天文台の中継を見ていた父が高速で流れるチャット欄から「友達に会いたい」というコメントを見つけ「馬鹿でねえんず」と言う。何がそんなに馬鹿なのかよくわからないが、欠けていく月を見て会いたくなる友達とはどのような人なのか気になる。