生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

蜚蠊と餃子

 

 晴れ。パン屋休み。新玉ねぎ、キャベツ、にんじん、香薫(バナナマン日村推奨のウインナー)を水とコンソメで煮る。薄く切ったフランスパン3枚。冷蔵庫にとろけるチーズの残りかすみたいなのがあったので1枚だけチーズ乗せて食べる。

 家のチャイムが鳴り、明治の宅配の人くる。飲むヨーグルトの試飲をしょっちゅう持ってくるのだが、後日その感想を聞くためにまたやってくるので断った方がいい。と、わかってはいるのだが、自分は断りづらく。叔母が出る。追い払うために「結構です」と3回言っていた。怖い。叔母に「あんたは強くならなきゃだめ」と言われる。

 洗濯など済ませて11時頃自転車で出る。日差しも風も心地よい中で曇天Tシャツを着るのはよい。高校の頃にアルバイトをしていた国道のデイリーヤマザキでガス代払おうと思ったが店長がレジにいたのでよす。

 らせん堂へ。外の棚を見ていると「すみません、怪しい者ですが」と声をかけられる。保険屋だった。「町ゆく人にアンケートをお願いしておりまして、2分くらいで終わりますので」と言われる。自分には叔母の言うところの強さが備わっていないから応じる。勤務時間や転職の意思などについて聞かれた。最後に名前、住所、電話番号を記入していただければハーゲンダッツの引換券を差し上げます、と言われ、弱い自分もさすがにこれは断る。「このままだと本当に怪しい者で終わってしまうので」と最後に名刺を渡された。読まずにポケットにしまう。営業も苦労が多いことだろう。

 つかれた。棚を見ても集中できず。やっと店の中に入る。三浦さんと久しぶりにお話できてとてもうれしかった。「さっき日記読んでたとこ」と。コーポ白樺のこと。三浦さんがお世話になってるという不動産屋の方を紹介しようかと言ってくださったが「もう懲りました」と根性の根もないことを言う。三浦さんが東京へ出て初めて知ったものは蜚蠊と餃子。一畳のありがたみ。武藤良子さん作の曇天Tシャツを自慢する。三浦さんにとって雑司ヶ谷は大切な場所であることが話しぶりから伝わってくる。自分も2019年に雑司ヶ谷を訪ねた日のことが浮かぶ。『考える蜚蠊/奥本大三郎』中公文庫300円、『永遠なる子供 エゴン・シーレ/黒井千次河出書房新社1,200円買う。シーレの画集が欲しいが。店の外まで出て送ってくださった。腰痛がひどいとのことで心配。よくなるといい。

 まっすぐ海側へ走る。モンドールへ。ツナサンド450円をふたつ買う。自分の勤めるパン屋とは異なり品のある店。いったん帰宅。母にツナサンドひとつわたす。ここのサンドイッチは食パンではなくフランスパンを使用したものなのだが、パンはもちろんのことツナサラダが格別のうまさ。日本でツナサラダと言えばマヨネーズで和えたものが一般的だが、モンドールのそれはおそらく本場の味を忠実に再現しているものと思われる。刻んだ玉ねぎ、オリーブ、黒こしょう、ぐらいはなんとなくわかるが、このスパイシーなお味の正体はいったい何であるのか。研究の末、我々の見解は「オレガノ」に行き着いた。オレガノの味なんか知らないが。インスタントコーヒーを巨大なマグカップになみなみ注いで飲む。焼き芋の匂いと味がする。

 15時頃ふたたび出る。ものすごく堂々と鼻をほじっている小学生が角を曲がってきた。機関区通り。道路の拡張工事がだいぶ進み、かつて歩行者用通路だった場所を車が走っている様子を見、この上なく心躍る。

 15時半過ぎジャスコ。1階のゲームセンター側から入る。この時間帯にひとりでここへ来ている大人にはそれなりの事情があるだろう。サンロード会員の優待会。今回ははがき持参で洗剤がもらえた。

 映画まで時間あるのでサンマルク側の出入り口から出、近くにあるトイソルジャーへ。リサイクルショップでなく、おそらく海外から買い付けしてる古着屋。初めて入った。弟になんか買おうかと思ったが自分好みの服が見当たらず。スケートボードに乗るような人にはいいかもしれない。スーパーカーの『スリーアウトチェンジ』が流れていた。何も買わずに出る。

 ジャスコに戻る。2階の大阪屋で茶碗など見る。深い藍の器の中に「黄ばんだ梨」の置物。これは「皮を剝いて時間が経過した梨」の置物であり、梨の置物が黄ばんだのではないように見える。手に取ってみるとあまりの軽さに拍子抜けした。

 すこし早いが16時25分頃地下へ降りるエスカレーターに乗り青森松竹アムゼへ。ロビーで待つ。ここのソファーは古いためか柔らかくなっていて深く腰掛けられるのはよいのだがえらそうにふんぞりかえってるみたいになるのでやや複雑な気持ち。『考える蜚蠊』読みながら待つ。黒いパーカーに白っぽいズボンの、自分とほとんど同じ格好をしたおじさん。

 16時35分から藤元明緒監督『海辺の彼女たち』。感じるものがあった。日本で不法就労者として働くベトナム人女性を軸とした話。これをフィクションと切り捨てるのも憚られる。食事の場面が一切描かれないまま映画が進行し、やっと食べ物を口にしたかと思ったら終わってしまった。不法就労という問題を提示するのならせめてその解決の糸口は描くべき、などという安易な考えは覆された。こんなことがあってはいけないと思いながらもどうすることもできないという点で自分はもはや観客ではなくなったような思いがするが、当事者の苦しみを理解したような気分になった自分に酔ってはいけない。撮影地が青森県とは知らず、馴染みのある光景がいくつも出てきたので驚いた。

 イトーヨーカドーへ。コメダ珈琲店コメダブレンドとホットドッグ。昼間食べたのとは正反対の、日本らしいふわふわのパン。ホットドッグのソーセージの下に敷かれていた、水分を多分に含んだキャベツがおいしくない。小学生の頃給食を残してはいけない決まりがあったのだが、この水っぽいキャベツがどうしても嫌いだった。とりあえず口の中に詰め込み和式トイレの便器に吐いたことを思い出す。ところで切れ目の入ったコッペパンは「背割れコッペ」というよりも「切腹コッペ」ではないだろうか。

 2016年から書き始めた日記を読み返す。拙いが、いい。上手い文章なんて目指すもんじゃないな、と思う。ただ自分は書き続けていたい。『考える蜚蠊』面白い。

 20時半過ぎコメダ珈琲店出る。食品売り場で弟から頼まれた蒙古タンメンの焼きそば買う。1階に東京オリンピックの公式グッズの店ができているのを見、なんとなくいやな気持ちになった。

 ローソンでガス代払い21時半頃帰宅。真面目なことばかり言っていたら尻から破裂音がやまなくなる。