生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

嗚咽を飲み込んで鳥の声で泣く

 

 9月10日土曜日。

 朝から気分がつらかった。かれんちゃんからもらった枝豆を茹でた。ハンカチに包んでほしさんに渡す。

 仕事。やる気はないのでやり過ごした。

 17時20分頃終えて出る。閉店後の古書らせん堂へ。和田ビル横の入口から入る。仙台から帰られた三浦さん。ますむらひろしのTシャツ。土産話を聞く。武藤良子さんの個展『百椿図』の話。展示の風景や武藤さんと写した写真など見せてもらった。往来座の瀬戸さんにも会えたと。お土産に武藤さんの椿の絵が描かれたサコッシュをいただいた。とてもうれしい。武藤さんと2019年に雑司ヶ谷でお会いした時「われはうたへどもやぶれかぶれ」のサコッシュを提げていたことを思い出した。

 いったん帰宅。もらったサコッシュで18時半頃弟と出る。話しながら歩いていると家々の間から月が見えた。「月が大きくて救われた」

 やきとり大久へ。弟の成人祝い。ビール、弟はレモンサワー。焼き鳥のおまかせ塩とタレ5本ずつ、からあげ、厚揚げ焼き、枝豆、ネギの入った卵焼き。田酒。弟は巨峰サワーをグラスに半分残した。4,980円。「血筋と書いて他人と読む」

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 21時頃帰宅。「グザヴィエ・ドランって本当に素敵だよね。ゲイだし」とツイートしていた人間を嫌いになった時つらかった。会話の中で「レズビアンなの?」という言葉で笑いを誘おうとしている人間に出くわした時つらかった。「いい男」「いい女」という言葉など今日のうちに燃えて消えればいいと本気で思っている。

 今日の昼、アウガから駅前広場へ出る、ATMそばの出入り口の重い戸を押し開けながら、傷つかないための強さではなく、ついた傷を修復するための強さを得るための生き方のほうがずっと必要だと思った。開いた本のページに木漏れ日が落ちていた。めくっても追ってくる。

 高校生の頃、「裏切られるくらいなら裏切るほうがましだと思った」という言葉をきっかけに、私に共通の友人は絶交した。裏切るほうがましだと思った友人と私は疎遠になって、裏切られるほうがましだと思った友人と私はその後疎遠になった。

 悪い夢の絶頂で目が覚めた。涙は出ていなかった。それからしばらく眠れずにいた。胸の上にiPhoneを置いてジュディ・シルを聞いていた。再生が止まって夜が明けようとしていた。嘘だ。カーテンを開けたらまだ夜だった。もっとよくなりたい、と思ったら嗚咽を飲み込んで鳥の声で泣く。そして人間へ。

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