生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

雪解水

 

 水曜日。

 昼、地下に降り丸青食堂へ。丸青食堂のカレーライス500円。おいしい。注文したらアルミの軽い皿に盛られてすぐ出てくるところがいい。味噌汁がついてくるのもいい。家で食べるカレーの最高峰みたいな味がするのもいい。

 食べ終え散歩。1万円分の花束を編んださかもと生花店。魚菜センター裏のバラックみたいな建物。青いトタンの壁に屋根から滴る雪解水を見ていたら風に煽られて顔いっぱいに浴びた。気持ちよかった。

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 20分くらい歩いて戻る。鳴門さんどこでご飯食べてるの、と聞かれたので今日は地下でカレー食ってきました、と答える。一人で食事ができないという感覚を自分はたぶんずっと理解できないと思う。一人で食う飯も誰かと食う飯も等しくうまい、でいいのに、と思った。べつに嫌な気持ちになったわけではない。

 16時過ぎ終える。成田本店を見、らせん堂の看板が外に出ているのを見、さくら野百貨店の横の路地を歩く。明るい緑色の扉。元の栄作堂のわきから夜店通りに出る。国道の横断歩道を渡るとき跨線橋のほうを見た。このまま自分の家に日が沈むんじゃないかと思った。新型ウイルスが流行し始めた2020年の3月、古川の7車線ある道路には車が1台も走っていなかった。この町に何もないということはない。町に何もないのではなく、この町に何も見出そうとしない自分だけがある。そういうことを考えていた。令和元年に「再開が遅れて申し訳ありません」の張り紙がされたまま今も休業したままのエルム。食品サンプルが並ぶショーケースを横から見る。高校一年生の頃、横尾忠則の昭和NIPPON展を見た帰りに寄った。パフェは生クリームがぬるくてあんまり好きじゃなかった。ヘリテージレコードの前を過ぎ、元らせん堂があった場所を見る。一度だけ、宮本さんと檸檬さんと行ったことがある。古川小学校の横を通る。反射鏡に向かってピースした。浪館通りへ。ここからはいつもの道。水たまりの表面が薄く凍っていた。自分はそれを踏んで割りたかったけど、明日の朝の小学生のためにとっておいた。

 17時過ぎ帰宅。気持ちよく生きると思う。

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