生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

本とお酒と街のこと

 

 晴れ。パン屋休み。8時頃起床。久しぶりにコーヒー淹れて飲む。粒あんのあんぱん。ずっと書こうと試みているが書けないでいる、日記ではない文章を書き始めた。途中、洗濯したり、オリンピックの女子テニスシングルスの1回戦を見たり、阿部昭の随筆についての本読んだりしながら14時過ぎまで。

 15時頃歩いて出る。国道のとこにカラスがいていつもは気にならないのだが今日はなんか怖かったので歩道橋の階段を上がる。この時、カラスは飛ぶことができるのだということを失念していた。

 古書らせん堂へ。武藤良子さんが題字、表紙、函、見返しの絵を担当されたという泉鏡花の『龍潭譚』(りゅうたんだん、読めなかった)が、入ってすぐの棚に置かれてあった。限定458部のうち、図々しくもお願いをして88番のものを売っていただく。とてもうれしい。三浦さんと話して楽しかった。

 16時45分発の奥羽本線弘前へ。『人間、この非人間的なもの / なだいなだ』の頭を読む。なんとなく なだい・なだ と思っていたが、なだ・いなだ だった。

 17時27分弘前。腹が減っていたので1階へ降りたところにある駅そばへ。ケチってかけそば380円。駅から適当に歩いて弘前れんが倉庫美術館へ。この辺りは映画『海辺の彼女たち』で、技能実習生のひとりが産婦人科のある病院を求めてさまよい歩いていた場面の撮影地にもなっていた。美術館がまだ吉井酒造煉瓦倉庫であった頃に行われた奈良美智の個展『I DON’T MIND,IF YOU FORGRT ME.』(2002年)が、自分が初めて行った展覧会。5歳とかそれくらい。『A to Z』(2006年)も。サーフィンする犬の背中に乗ったのはどっちだったか。

 18時半からまわりみち文庫の奈良氏とAND BOOKSの本村氏、元書店員で現美術館スタッフの引田氏の3人によるトークイベント「本とお酒と街のこと」。定員20人とあったが満席だった。年齢層も幅広い。途中10分の休憩を挟んで20時頃まで。話の全体を通して空虚な印象。「本好きな人」と「読者」は異なる。「本」はコミュニティを生み「読書」は個人を形成する。「本」を通して「街」を作る前提にあるのは個人の「読む」という行為だが、それが軽視されている、ふうに見えることに自分は虚しさを覚えたのだと思う。読書という孤独な行為を崇高なものとして位置付けたいのではないが、それでも、まずは書き手と読者の対峙が彼らの言う「本」の出発点であるということを忘れてはならないのではないか。感染症対策の向きもあるのだろう、質疑応答の時間はなし。

 晴々としない気持ちで外に出る。今日のトークイベントを聞きに来ていたKさんが駅まで送ってくださったが自分が電車の時間を勘違いしていた。急いでもらったのに申し訳ない。結局1時間ホームで待つ。自分の頭の悪さに驚いて退屈を感じる暇がない。同じくトークイベントを聞きに来ていたHさんとホームで落ち合い話す。Hさんは途中の駅で降り、自分は終点の青森駅まで。のつもりが誤ってひとつ手前の新青森駅で降りてしまう。乗るのも降りるのも間違えた。頭がいかれている。まあ歩けば着くので歩いて帰る。数年ぶりにツイキャスで話してみたが、自分のそれは人のトークイベントにケチをつけられるようなものではなかった。

 1時間ほどかかって帰宅。Oさんのゲーム実況を聞きながら日記書く。訛りが心地いい。