生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

始まらない

 

 土曜日。

 『星の時 / クラリッセ・リスペクトル 福嶋伸洋=訳』読み始める。全然始まらない。面白い。

その女の子は、犬が自分のことを犬だと知らないように、彼女が彼女だということを知らなかった。だから自分が不幸だと感じていなかった。唯一の望みは生きることだった。何のためかはわからなかったし、考えてもみなかった。もしかすると、生きることにはささやかな栄光があるのかもしれない。彼女は、人は幸せになるべきだと考えていた。だから幸せだった。

 4年ほど前に中古で買ったRICOHのGR III。ずっと使ってなかったがSDカードを入れバッテリーを充電した。

氷柱の声

 

 金曜日。

 『氷柱の声 / くどうれいん』読み終えた。「〇〇を忘れない。」で構成された中鵜のブログの文面が印象深い。ただ私はくどうれいんのこれを小説ではない形式で読みたかった。

 17時頃傘をさして出る。駅前でHさんと落ち合いA-FACTORYへ。藻。コーヒーカラーズ。17時半でラストオーダーだったがコーヒーいれてくれた。窓際の席に座って話す。雷で海の方の空が光る。自分の席からは稲妻が見えないのでHさんに代わってもらった。その後あまり光らず。濡れた手。雪で狭くなった歩道を縦一列になって歩き、スナックぶんこの路地を抜け、浪館通りまで出たところで別れる。楽しかった。

 19時前帰宅。水で戻したひじきが目に詰まらないようなざるがほしい。

ゆらゆらin the air

 

 木曜日。

 『喫茶店松本隆さんから聞いたこと / 山下賢二』読み終えた。

 『氷柱の声 / くどうれいん』読みはじめる。

忘れてしまったことはもう同じ温度で抱きしめることは出来ない。忘れたことにあとから意味がついたとき、それがドラマチックになってしまうことが、おれは怖い。だから何かを言いたいような気がする。おれはずっと何かを言いたくてたまらないような気がする。

大したことない

 

 水曜日。

 昨晩、五所川原から姉が来る。

 12時頃、姉と母と弟と4人で祖母の家へ。仏壇に手を合わせる。10年ほど前に肺炎で亡くなった祖父は鍼灸師鍼灸院を営んでいた。人の背中に鍼を打つ祖父の姿を思い出すことはできない。宵宮で買ってもらったビニールボールに祖父が「目ヤニ」と言いながら顔を擦り付け、そのボールで遊んだ数日後にものもらいを発症したことは覚えている。

 祖母と伯母が用意してくれた昼食を食べる。根菜の煮物、たけのこの炊き込みご飯、エビフライ。煮物とてもおいしい。

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 弟が昨夜から仕込み、タッパーに詰めて持ってきたティラミスを振る舞う。祖母が最初に食べる。おいしい、と喜んでいた。

 伯母が「寒いといけないから」と、姉と自分と弟用に色違いの"カーデガン"を3枚用意してくれていた。姉がグレー、自分は白、弟は茶色。伯母からお年玉もらう。うれしいのと申し訳ないのと。伯母が急須でお茶を淹れようとすると、茶葉が詰まっているのか脇からこぼれる。机が濡れ、みんながあー、と嘆いているとき祖母だけが「大したことない、大したことない」と言っていてかっこよかった。祖母に煮物やおでんの作り方を訊ねると「ん、適当」と笑っていた。最後におしるこまで出てきて食べすぎる。

 15時過ぎまでだらだらし出る。西バイパスのガーラタウンへ。駐車場で『北の邊』の齋藤さんに電話。「いま雪片付けしていましたのでちょっとお待ちください」と。申し訳ない。とてもやさしい話し方をされる人だった。あの、さち子さんのお父様でしょうか、と言うと「アレッ、さち子のこと知ってんの、うれしいなァー」と笑っていた。ペンクラブ楽しみ。

 宮本さんの怨念を晴らすべく証明写真機の椅子を回しまくってから証明写真を撮り、キディランドで善蔵さんと色違いのうさぎを買い、モンベルで三浦さんと色違いのフリースを見て帰宅。救われる気持ち。

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ワークにハローしない

 

 火曜日。

 部屋を片す。毎月の給与明細を入れているのだと思っていたみちのく銀行の封筒。ふと中を見ると1万円札が10枚入っていた。たぶん先月の給料から母にいくらか渡したあと、ゆうちょ銀行の口座に移すのが面倒でそのままにしておいたものだと思われる。

 歩いて出る。新町の郵便局へ行き10万円を入金。べつに通帳にあるのも手元にあるのも大して変わらないが。

 成田本店へ。オレンジ色の短歌研究を立ち読む。平出奔。工藤玲音の『さて』を読み、あー、と思いながら『氷柱の声 / くどうれいん』買う。

 ワークにハローするつもりだったが古書らせん堂へ。三浦さんにハローする。新年の挨拶。本が濡れないよう丁寧に発送用の本を梱包する三浦さん。青森ペンクラブへ入会の相談。ムサシさん。三浦さんが『北の街』主宰のさち子さんのお父さんに電話をし、事前に話をつけてくれた。明日自分で電話することに。連絡先を書いたメモをいただく。ありがたい。三浦さんの今年1年の健康を祈願する(飲み)会。

 シネマディクトへ。久しぶり。スクリーンの前に御神酒と餅。15時半から『コレクティブ 国家の嘘』見る。前半寝たのでよくわからなかった。絶望的ではある。久しぶりに映画館で眠ることができて気持ちよかったがさすがに虚しい。

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 17時20分頃終えて出る。ちょうど勤めを終えたHさんから連絡あり。国際ホテルのそばで落ち合う。自分の濡れ雑巾っぷりに引いていた。市民ホールの前で別れる。

 スーパーふじわらに寄って大根を買うつもりだったが諦めまっすぐ帰宅。つらい。

ゴッドファーザー

 

 月曜日。三が日も今日まで。

 13時20分頃父に送ってもらって出る。弟の傘を勝手に借りた。青森駅へ。謝礼として父にはラッキーストライク2個を渡す約束。Hさん。午前中、大雪のため奥羽本線は運転を見合わせていたが会えてよかった。

 喫茶マロンへ。ブレンド、チーズケーキ。岩手の話。メモのアプリではなくメールの下書きにメモするHさん。「yellow🌞」。突然店内にゴッドファーザーのテーマが流れる。ゴッドファーザーだ、と思っているとそばにいた女性客が「ゴッドファーザーだ」と言い、Hさんが「全く同じこと思ってた」と言った。おそらく全員がゴッドファーザーだ、と思っていたと思う。

 1時間ほど話して出る。ローソンで受動喫煙。もう使われないのであろう温かいペットボトル飲料の什器が雪に埋もれていて興奮した。ローソンに傘忘れる。

 心が軋む音を聞きながら善知鳥神社へ。麻のお守りを買ってもらった。うれしい。善知鳥のおみくじも引く。小吉。「訴訟 叶います」とあり。さてさて、コーポ白樺でも訴えますかな……という気持ちになる。Hさんは大吉。よかった。

 軋んだ思いを吐き出したいのは存在の証明が他にないから(後藤正文©︎)であるが、それとは関係なしに心が軋む音を聞きながらラビナへ。高校生のようにその辺のベンチに座っていたかったがどこも満席。エスカレーターで5階まで上がり、階段で降りる。途中おみくじを見せ合う。4階のさわや書店へ。相変わらずよくわからないCDとレコードのワゴン。あだち充。3階の無印良品を見る。

 16時過ぎ改札の前で別れる。楽しかった。

 歩いて帰宅。弟に600円渡して許してもらう。夜、noteに書いた。

https://note.com/naruto_nerineri/n/n4dcc3234f8d7

虎、猫

 

 日曜日。

 8時40分頃浪館通りのハッピードラッグ。Hさん。青森県立美術館へ。今日から3日間、各日先着20名に配布される『タイガーねぷた』を捕獲すべく9時半の開館を前に張り込む。すでに駐車場には車が数台停まっており焦る。そばを歩く女性に声をかけると美術館で働いている人だった。「9時半からですけど……」と言われる。9時を過ぎてようやく我々の後ろに列ができ始めた。

 9時半開館。Hさんが「お年玉」といって入館料を払ってくれた。整理券をもらい、企画展『東日本大震災10年 あかし tastaments』コレクション展『2021-3 縄文と現代』。

 八戸市出身の演出家、豊島重之によるカルトポスタル(絵葉書 / 切手つき消印つき写真)がとてもよかった。マイクから極小音で流れる声に耳を澄ますのも面白かった。

意味には〈意味がない〉、それこそが〈意味〉なのだから。

 とあり。これは〈意味〉を〈意味する〉、意味してしまうのではないだろうか。それはすなわち〈意味〉には本当に〈意味がない〉ということを〈意味して〉しまわないだろうか。意味には意味がないことを否定しきる、真の意味で意味から意味を振り切るだけの強さがこの世のどこにあるのだろうか。自分はどこにもないと思う。意味を単純に肯定することを恐れる癖。

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 山城知佳子の映像作品『あなたの声は私の喉を通った』。沖縄戦を語る老人と女性の顔と声が重なる。昨年アムゼで見た沖縄戦のドキュメンタリーが思い出される。

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 張り切って並んでもらったタイガーねぷた

 12時頃浪館通りのローソンでHさんと別れる。楽しかった。いったん帰宅して荷物を置き、今年最初のトムヤムクンヌードル食べる。

 14時おてさんの家のピンポン押す。新年の挨拶。上げてもらい、レモンとウーロンにも挨拶。会うのは2回目にもかかわらず2匹とも優しくしてくれてうれしかった。

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  雅なウーロンさん。

 少しして出る。おてさんお手製のニット帽かわいい。歩いて廣田神社へ。混んでいた。焚き上げてもらうため去年のお守りやらお札やらを洗濯カゴみたいなのへ入れる。紫色の謎布を迷いつつもお札コーナーに仕分けするおてさん。

 国道へ出る。浅草のたんぽぽハウス行ってみたい。おてさんのズボンの裾が濡れる。新町通りをしばらく歩き回ってさくら野の3階にある喫茶店「花の街」へ。初めて入った。自分はアイスクリーム2種盛り、おてさんはフルーツパフェ。おてさんから無病息災を願ってドライフラワーをいただく。「みんだいさんが風水的によくないって言ってたんですけど……」と心配していた。「急に目が見えなくなっちゃって」と言いながら、店員に手を引かれて席に着く女性。そのあと普通に女性セブンを読んでいたので本当に急に目が見えなくなるんだな、と思った。危ない。

 しばらく話してから出る。海を見に行くつもりだったが吹雪いてきたのでよす。寒いのでラビナへ。無印良品で靴下とするめシート買う。おてさんがお母さんを召喚してくださったので車に乗せてもらう。石膏像とか現代川柳とかの言葉を自分の母親の口からは聞いたことがない。ペンクラブに入ろうと思った。浪館通りのローソンまで送ってもらって帰宅。楽しかった。