火曜日。
以前平出さんからいただいたティーバッグの紅茶。マグカップから引き上げた後なんとなく手のひらに載せてみた。小さな鳥を飼ってる人は毎日こんな気持ちなんだろうか。鳥の体がどれくらい湿っぽいのかはあまり気にならなかった。
言葉をつみとり活けることにおいて、人はアレンジメントの職人にして芸人となる。そしてこの摘みとりで、もっとも大切なのは、どれだけ多くを思いきって捨てるかということだ。いや、捨てるというのはあたらないかもしれない。摘みとりたくなる百の花があれば、そこからあえてひとつだけを手折るということ。その選ばれた貧しさは、しかしどれだけゆたかな旋律とひろがりを読者に与えてくれることか。