生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

もう夏なのさ

 

 くもり。パン屋。入って10日目でパートのSさんから辞めたいとの申し出があり、皆で頭を悩ます。タブレット端末でのレジ打ちが精神的に苦痛とのこと。皆Sさんのことが好きだから辞めてほしくないのだが、好きだからこそつらい思いはさせたくないというもの。Sさんに負担かけないよう工夫するから何とか思いとどまってほしい旨伝える。木曜も来てくれることになりひとまず安心。昼頃、昨年に短歌研究新人賞を受賞された平出奔さんが来てくれた。軽く挨拶する。著者近影の実写。オレンジのマリトッツォ。

 パンよく売れてうれしい。18時半過ぎ終えて出る。国道通って古川のデイリーヤマザキへ。高校の頃バイトしてたとこ。文藝春秋田辺聖子が70年前に書いた日記があり立ち読みしようとページめくってたら平岡直子の短歌が。目を通してるところに平出さん来る。文藝春秋を立ち読みしていたために自分だとばれてしまったよう。次からは相手を錯乱させるためにナンプレの立ち読みとかをするようにしたい。

 お腹空きすぎてここに来る途中で石4個食いましたわ、とでたらめ言いながら歩く。石って暗喩ですか?いや、普通に石です、と。火の用心を促す消防の車のサイレンと自分の発した奇声が重なる。

 信号のない交差点の真ん中に立ちしゃぼん玉吹く女の子。大通りではないがまあ、危ない。橋本愛風に言えば、磨いてないのに寄ってくる。大きなしゃぼん玉をひとつ吹き、それに息を吹きかけて増やす。「いっぱい」と言っていた。平出さんとふたりですごいねー、でも危ないから気をつけてねー、とか言ってるところに女の子の友達のお母さん、と思しき女性が車で通りかかる。運転席の窓を開けて女の子を叱っていた。

 19時半頃、三浦さんにすすめてもらったもぐらやで夜飯。エビスで乾杯し、自分は古典(レモンサワー)2杯、平出さんはホッピーの黒、八仙2合。黒板に書かれてあるおすすめ全品頼む。フライ5種盛り、昆布締めのマダイとブリの刺身、鶏天、カニクリームコロッケ、あさりダシ温やっこ、白かぶの酢漬け、いぶりがっこ、カクテキ。安いしうまい。『Victim』のページにボールペンで署名していただく。思考や事象を短歌という形式に変換するということへの抵抗の有無。

 22時頃出る。国道沿いのセブンでりんご味のチューハイ買う。歩いて海の方へ。祭は消えたが制作が続けられているねぶた小屋の白さに浮かび上がる脚立の影。黒い海を向くベンチに腰掛けてチューハイ飲む。売れる、ということについて。この時自分はやや話しすぎてしまい申し訳ない。平出さんの野望を伺っていると背後から警察官2人がやってきて職務質問される。名前、連絡先、職場を聞かれ、自分は自転車まで調べられた。平出さんの本名を職務質問によって知らされるとは。「昨夜は美しい月明かりの下で職務質問を受けたのです」。「変な薬をたくさんやってるんじゃないとか聞かれたりしました」は平出さんの短歌っぽくある。

 23時頃ホテルセレクトインの前で別れる。1階のデイリーヤマザキは22時半で閉店していた。よくないのだが自転車に乗って帰宅。