生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)

珈琲ポット

 

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 黒い珈琲と、白い牛乳を、交互にのんでいる。珈琲を淹れるこつを、つかんできた。ふつうに生きていて、苦味を感じることは、そう多くないので、この黒い飲物が、恋しくなるのか。細口のポットは、洒落ている。長く使ってきたから、手垢、あぶらにまみれてる。錆のつかないように、多少は気を配っているが、廃れもまた、味わい。あらためて見ると、姿勢よく立っており、凛々しい。となりに置いてある桃が、胴体にのびのびしてうつっている。光のすじもある。相棒、と呼び掛けたくなるたたずまい。日頃、甘ったれてるので、相棒のおまえがいると、気が引き締まっていいよ、と言ってみれば

あんたは背骨がこんにゃくだネ、

とばかにされる。そうだねえと南を向いて、今朝は涼しいねえ、反省の色ひとつもなく、にこにことしているので、まるで進歩がない。

せっかくの深煎りの珈琲豆を、こまかく挽いて、よく冷ました湯で淹れてんだもの、そりゃあ進歩ないヨ

むやみやたらに怒られるのは、きらいなんだよなあ。けれども、相棒、おまえみたいなのに叱られるのは、悪くないよ。寧ろ好きだ。人間って、なんだか、信用ならないのが多くってさあ、だから、私は、珈琲をのむんだろうな。だけど、ぜったい、善良な気持ちで生きていきたいんだ。人間だから、人間が好きだ。人間の冷徹にふれて、かなしくなっても、諦めないで、人間のことをきらいにならないで、腐った枝は切りとって、やっぱり、その根幹だけは、ぜったい、愛していかなくちゃと、思うんだ。