生きてるだけで、ワーイ

鳴門煉煉(naruto_nerineri)の日記

抵抗するしかない

 

 11月15日火曜日。

 朝方は晴れ、午後から雨。傘を持って自転車で出、18時過ぎ歩いて帰る。白んで明るい空は冬のそれだけどまだまだ雪は降らない。白鳥の声が聞こえたら、その姿を探すようにしている。黒い影の隊列がちょうど私の頭上で崩れた。言葉が人間を作っているという感覚が確かにある。抵抗するしかない、って10代の頃から気がついていた。とぎすまそう、って清水民尋の言葉を、私もそう思う。走るべき方へ。

頭痛

 

 11月14日月曜日。

 「寸分の狂いもなく、精巧に作られたものが駆動して、それに殺される。」

 と下書きにあるが今日(15日の夕)となっては何のことだかさっぱり思い出すことができない。こうしてどれだけの日々の断片を失っていることか。多分、新町通りを走っていた車を見て感じたことだと思う。完全なものだけが人を救ったり殺したりするわけではない。

 頭痛。ハンス・ギーベンラート君のように勤勉なので痛むのではない。頭蓋の内側が全て空洞であるような気がする。

遠くへ行くことを

 

 11月13日日曜日。

 言いたいことは、言わないという方法で言わなくてはならない時がある。しかし言うべきことは確かにある。あえて思い出さないようにしている出来事がある。それは思い出されることに似て、切実な思いだと思う。全員が今を生きていることが不思議でならない。遠くへ行くことを才能だと思う。私は水の中を泳ぐことができない。

早すぎる夕の光

 

 11月12日土曜日。

 8時頃起床。掃除、洗濯。食パンにトマトとチーズを乗せてトーストしたもの。ブロッコリー、ベーコン、卵も焼いた。

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 東青森のDCMで見つけた植物が早すぎる夕の光を刻んでは散らしていた。暮らし。
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ボヘミ庵

 

 11月11日金曜日。

 今朝の東奥日報の文化面。新刊案内にくどうれいんの『虎のたましい人魚の涙』があった。

 勤め。窓口にやってきた客が市民図書館のバーコードのついた大佛次郎の『帰郷』を手にしていた。

 18時頃終える。自転車で国道を東へ。空の低いところに月が大きく見える。濃くて鈍い光を放っていた。自分は鋭さと速さを混同している、と思った。月は銀色のがかっこいいと思う。街灯が月よりも高いところにあるような気がした。

 岡造道の歩道橋を南へ折れて暗い通りを真っ直ぐ。今月開店したブックカフェ&バー「ボヘミ庵」。

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古本と新刊本の店。深沢七郎の『人間滅亡的人生案内』が河出文庫河出書房新社の単行本あわせて3冊あったので在庫数を調整するか……と1冊買う。『世界を肯定する哲学 / 保坂和志』(ちくま新書)、『本の読み方 / 平野啓一郎』(PHP文庫)、『街場の読書論 / 内田樹』(太田出版)、『夢の迷子たち / 詩 井坂洋子やまだ紫』(翔泳社)買う。土岐麻子の『PINK』。店主の太田さん。会えてうれしい。本物。浦町小学校で年に一度発行される全校生徒による詩集『どん山』。自分はこれを毎年比喩でなく破れるまで読んでいた。照明を落としてミラーボールを回してもらう。23時までの営業。ここで飲んだあとは匍匐前進で家まで帰ろうと思った。店を出ると月が高いところにあった。

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 国道を西へ。堤町1丁目の交差点を南へ折れる。探夢路のある通り。コーポ白樺の前を通ると部屋に明かりはついておらず。

 平和公園のそばを通り抜けてスコールへ。久しぶりに来れてうれしい。いずれも五所川原産の立派な長ねぎ4本入150円、洗いごぼう4本入200円で買う。橋本公園のブランコ。

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 ねぎとごぼうがとび出てるリュック。3年間勤めていたパン屋の帰り道。

 20時半頃帰宅。ごま油とにんにくを弱火でじっくり炒めて香りを出したあと、にんにくが焦げないよう一度取り出し、強火でカット野菜を炒めようとしたら手が滑ってビニール袋ごと炒めた。香り高い油が全て袋に付着しビニールは溶けた。グリーンラベルおいしい。三浦さんから「ボヘミ庵の前で自転車見ました」という旨のメールが届いた。

新しい人間に変身する過程

 

 11月10日木曜日。

 昼、新町のローソンでつやつやの肉まんを買う。パサージュ広場の木を囲むベンチに座り新町通りを眺めつつ食べた。市民図書館の7階へ。新着本のコーナーで『甘美な牢獄 / 宇能鴻一郎』を手に取る。官能、と自ら謳ってるようなものからはエロスを感じない。橋の下から見る鉄骨のほうが。『死者の贈り物 ひとはなぜ本を読むか / ダニエル・サルナーヴ 著 菊池昌実・白井成雄 訳』(法政大学出版 叢書ウニベルシタス)借りる。

 18時頃終える。郵便局の前で弟と落ち合い大戸屋へ。鶏ごぼう生姜ごはんがとてもおいしい。20時半頃帰宅。荷造りの続き。

人間の土地

 

 11月9日水曜日。

 昼、市民図書館で本を借りようとエレベーターに乗り、7階のボタンを押すも動かず。しばらく押し続けた。今日は月に一度の休館日なので5階より上へは行けないのだった。駅前広場へ。なんとなく公衆トイレの脇にある石に腰を下ろしてセブンイレブンのホットコーヒーを飲んだ。

 18時頃終えて出る。駅前の横断歩道で待ってくれていたほしさんと落ち合い書類を受け取って別れる。

 ハッピードラッグでグリーンラベル買って帰宅。月が明るい。

 来週引越しがあるので荷づくり。サン=テグジュペリの『人間の土地』。文学に陶酔しているような人間のことを文学の側は嫌っていてほしい。少なくとも、私の好きな文学はそうであってほしい。

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